【連載コラム】「就労」に向けての心構え

こちらでは、これまでのコラムで書かせて頂いた通り、社会復帰を果たすべく「就労」を、そしてそのために「就労支援」を受けながらそれに向けて日々励んでいます。

その中で感じて止まないことを今回の記事にしたいと思います。

これから何かの仕事に就こうとするとき、自分のやりたい仕事に就きたいと普通は思います。もちろん仕事であればそれに伴う報酬、いわゆる給料も関係します。しかし、この場ではそれは「仕事内容とのバランス」にとどめ、以下は私がいま考える仕事への想いについて書きたいと思います。

上記を踏まえ、自分のやりたい仕事とはどんな仕事のことかと考えてみました。もちろん仕事をするのであれば先の通り自分の好きなこと、自分に向いていることを仕事にしたいと思います。これから仕事を探す上での「出発点」はそうに違いないとしても、「その後」がその通りになるとは限らないと思います。

私は現在無職ですが、以前は製造業系の会社で営業の仕事をしていました。その時々にいくらかの波はあっても、基本的に仕事はとても好きでした。でも、それが元々本当に好きな仕事だったかと言えば違います。言うなれば、学校を卒業後その場の流れで何となく入った会社でしたが、仕事をしながらいつの間にか好きになっていたのです。

私の過去の経験で、本当に仕事が好きと思えたのはどんなときだったかと思い返してみました。

「その仕事は私がしたい」「私にやらせて欲しい」と思えたとき、また、「私なら上手く出来る」や、「私にしか出来ない」と思えたときが特にそうだったように思います。また、「人に感謝してもらえた」や「目標を達成出来た」などもあります。そこに「遣り甲斐」を感じられたときは申し分ありませんでした。

私の昔の仕事は営業でしたので、いわゆる売上の「ノルマ」がありました。仕事の成果はそのノルマの達成具合によるものと言えました。そしてその売上のノルマを達成するために様々考えたり、また工夫をしたり知恵を搾ったり悩んだりしたこと。時には先輩や同僚の指導やアドバイス、真似や参考によって何とか達成しようと励んだことがそのまま仕事の楽しさとなり、そして好きになっていました。

もちろん、仕事が上手く行ったときはとても充実しており楽しくもありましたが、そうでないときの辛さや苦しさもありました。上司や先輩、得意先の厳しい叱責もありました。そうする中、仕事に関係する人々からの様々な教えなどで自分が成長していると実感出来たことなども仕事の楽しさの大きな要素の一つだったと思います。また、私は自分が営業に向いていると思っており、純粋に好きでもありましたので何とか仕事になっていたのだと思っています。

そして一般的に「好きな仕事」、とは別に「面白い」や「楽しい」仕事と言われることがあります。でもそれは、「端からそう見える」ことを差しているのだと私は思います。「面白い」や「楽しい」、の感覚は、人それぞれに個人差があるため当然でしょう。

でも、個人の裁量次第で「仕事を面白く」や、「楽しく」することは出来るのではないかと私は考えています。もっと言えば、そう出来ることこそが本来の仕事の意義ではないかと思います。

しかしこれらは皆、実際に仕事をやっていく中で感じることであって、就労に向けての「前提」ではありません。だからと言って、就労を「どんな仕事でもいい」とするものではありません。

先にも触れた通り、自分が本当に好きと思える仕事に就けることが理想には違いないと思います。自分に向いていると思える仕事に就けることも同じです。ただ、仕事に就いた後のことは結局、自分の行動や考え方次第になるのだと思います。

今の私は正直なところ、「一体何がしたいのか」また、「何が出来るのか」自分でよく分からないところがあります。「就労」を目指すことは間違いないとしても、そこに大きな不安も抱えています。現在は、以前仕事をしていた頃と身体の状態が大きく違うため尚更です。

今一番問題にしているのは、車イスでの姿勢の保持に難があり、パソコンは右手だけで操作しなければならず、仕事に臨む上でのスタミナがないことです。「就労支援」での訓練を「仮想仕事」とし、今後就労を目指す上で「訓練を持続出来ること」が何よりも必須と捉え日々方策を試行錯誤している真最中です。

これらの事柄は、自分一人では答えが出せないと思うこともあり、必要に応じ周囲に相談を持ち掛けながら解決していきたいと考えています。

このような状況における「就労支援」は、私の大きな力になってくれるのではないかと思っています。もちろん、「何とかしてもらおう」という意味ではありません。それに伴う行動をするのは当然の努めです。

「就労支援」を受けながら自分の方向性を見つける。これから「就労」を目指す中で、自分でしっかり踏まえておくべき大切なことだと考えています。

最終的に、「仕事の中身は自分で創り上げていくもの」とする心構えを持ちながら、これからの「就労」に向けて励みたいと思います。

この記事を書いた人

superinspire